最近では連日、日経平均4万越えとか新NISAという話題が飛び交っていますね。
巷にあふれる様々な経済誌にも必ずと言っていいほど新NISAの特集が組まれていますし、更に日経平均が4万円越えという日本市場の先行きもなんか明るくなってきたな、これを機に資産運用始めてみるか、、、という方も増えているんじゃないでしょうか?
私が初めて株式投資をかじり始めたのは2011年頃、リーマンショックの傷跡が残る中での東日本大震災の発生で日本経済及び日本の株式市場はどん底中のどん底とも言え、絶望感が漂う様な雰囲気でした。
改めて見てみるとこんな感じです。
- 為替 (USD) :76.7円 (2011年10月の最円高時)
- 日経平均 :8,160円(2011年11月の最安値)
今の状況から見ると信じられないですよね、、、為替なんて倍円安方向に動いてますし、日経平均は今は5倍程度になっています。
当時私はまだ社会人になりたてのペーペーだったのですが、正直言ってサラリーマンとしてずーとそのまま働き続ける事にしんどさや、漠然とした将来への不安を抱えていました。
元々何かに強い依存を持って生きていく事が凄く違和感を感じてしまうタイプでもあり、一生サラリーマンとしての収入に依存して生きていくと余裕が無くなるし嫌だな、、と。
そんな中で何か不労所得的な収入があれば色々精神的にも楽になりますし、サラリーマンとして働き続けるにしてもいつでも辞めても問題無い状態を作れたらな~と強く感じていました。
誰しもが一度は持つ考えだとは思いますが、そうだ、それなら株式投資でもやってみるか、と。ただバブル崩壊を経験する自分の親世代からすると株式投資=ギャンブル、投機的な方法で財産を失うとか、路頭に迷う、とかそんな価値観の中で育てられてきた事もあり、非常に不安が大きかったのも事実。
今でこそ日本全体で株式投資(主には投資信託やETF投資が推奨されていますが)を積極的に行っていこう、となってますが、当時の日本全体の停滞ムードの中で実際に行動に移せた人は多く無かったのではないかと思います。
上記のグラフを見て頂くと分かりますが日本では株式投資は投資信託を含めても15%程度の人しか実施していません。正確なデータが見つかりませんでしたが、多分2011年頃はもっと少なかったのは無いかなと思います。
対して欧米は株式での資産運用を行う人の比率が遥かに高いですね、特に米国は50%が株式投資を行っています。これは当然米国の株式市場がどんどん拡大している→投資する人が増えていく、というポジティブな循環もあると思いますが、国民性や教育等の違いも大きいのでは無いかなと思います。
始めて買ってみた投資銘柄は
社会人になってある程度貯蓄も出来始めていた私は投資に回せそうな余裕資金(種銭)が大体100∼150万円くらい手元にありました。
やはり最初に始めるときは損をする事(=お金を減らしてしまう)事への恐怖心が非常に大きく、元本がほぼ保証される様な債権なんかを買おうかどうかも悩みましたが、サラリーマンの給料からの依存脱却を目指す、という志の元やはり、、、株式投資に挑戦しようと決心しました。
ただ個別株はなんだか難しそう、、、何買っていいのかよく分からないし、個別株で大損した話なんかはそこら中に転がっていたので中々踏み出せず、評判の良さそうな本を何冊か読んでみた結果、、、「日経平均株価に連動するETF」が良さそう、と思い購入してみる事にしました。
個別株みたいに細かい調査しなくていいですし、手数料も安い、大体世界と日本全体の経済動向だけ気にしておけば大まかな値動きの方向が予測しやすいので、経済ニュースなんかにアンテナ張っておく良いモチベーションにもなっていいな、くらいの理由です。
こちら日経平均株価の過去数十年の推移です。 丁度上の画像の緑枠の部分、大体8,500円前後くらいで150万円の種銭をフルベットしました。笑
定石で言えばフルベットではなく、ちょっと期間を分散して買っていったりした方が、勿論リスクヘッジになります。
ただ当時はどう考えても日経平均は安すぎると思ってましたし、底値で買えた方が当然儲けも大きくなるので一気買いです、ただ結果として運よくほぼ底値圏での購入となりました。
ただ上記の「安すぎる」という判断が非常に感覚的だったのは問題でした。例えば株価の割安性を判断するのにはPER(株価収益率)がよく使われますが、日経平均のPERのレンジは概ね14~16倍で推移しています。
つまりPERが10∼13倍とかなのであればそれは定量的に見ても「安い、安すぎる」と言えるわけですが、2011年末~2012年初頭に関して言えばPERは15倍程度でした。
つまり別に特別割高では無いけど特別割安では無い状態です。絶対値で見ると相当割安に見えますが、結局リーマンショックの余波で企業業績も非常に低迷していた時期でもありましたので、PERがそこまで割安になっていたわけでは無いのですね。
PER=時価総額 ÷ 純利益なので、もし時価総額(株価)がかなり安くなっている様に見えても同じ様に純利益も小さくなればPERは高くなってしまい、結局当時は14~16倍というレンジにしっかり収まっていました。
まぁ結果としてビギナーズラック的にこの判断が功を奏することになります。
まさかのアベノミクス相場で株価は2倍に
そして(結果として)大底近辺で買えた日経平均株価は日本経済の歴史的転換点とも言える、アベノミクス経済の恩恵を受けてそれまでの悲観ムードが噓のように上昇を始めます。
結構ざっくりですが、結局8,500円程度で購入した日系平均連動型ETFは17,000円程度まで上昇したところで手放す事にしました。
実際にもし現在まで持ち続けていれば5倍近くまで上がっていたので、どっちが良かったのか?と聞かれると難しいですね。
ただシッカリとした方針や指針が無いと長期で株式を保有し続けるのはかなり難しいんです。ある程度上がってしまったり急落を経験するともうそこがピークだと思って売りたくなってしまうのが人の常ですしね。
結局この投資は2~3年持ち続けて投資額が倍(150万→300万円)と初心者である私にとっては鮮烈な印象を残すことになりました。
逆に言うとこの成功体験が変な根拠の無い自身を生み出してしまったのです。
儲けた150万円はあっという間にマイナスに
一度利確をした私でしたがその後の日経平均は上げ下げを繰り返しながら結局2万円程度まで上昇していきました。
実はその過程の中今度は日経平均株価連動のETFでスウィングトレードに挑戦してみる事にしました。
スイングトレードとは数日から数週間で売買を終わらせる短期売買のトレードのことです。
楽天カード みんなのマネ活
私がやっていたのは、近いうちに日経平均の下げトレンドが始まりそうだなと考えれば売って、上昇トレンドが始まりそうだなと考えれば買って値上がり後にまた売る、といった事をある程度短期間で繰り返す事です。
当然上がり相場であれば大した根拠なく適当にやっても基本的に勝てる事が多いです。まだスウィングトレードを始めた後は上昇相場だった事もあり、コツコツと利益を積み上げていく事が出来てました。
更に調子に乗って、日経平均ベア2倍(日経平均の上昇の2倍のに連動)や日経平均インバース(日経平均が下がると上がる)も取り入れていってどんどんボラティリティーが大きくなっていき、段々感覚がマヒしていきました。
大きく負けたら絶対取り戻してやる!とリスクを取って日経平均ベア2倍とかを買ったりするので下落すると更に痛手を負うわけです。まぁただ上昇相場なので何とかトータルで見ると買っている状態で、アベノミクスで増やした300万円に多少資金も追加して500万円くらいを常時運用していました。
そんな2015年8月頃その事件は起こりました。その頃にバブル化していた中国株式市場は突如中国政府が発表した人民元の切上げをきっかけに大暴落、それに釣られて世界同時株安が発生しました。
これは俗に言うチャイナショックと呼ばれる出来事です。
2万円前後だった日経平均株価もそのご約半年に渡って上げ下げを繰り返しながら20%ほどの下落を引き起こしました。すぐ戻るだろうと高を括っていた私はまたしても日経平均ベア2倍にフルベット、下落の度にパニック売りやパニック買を繰り返すという投資の典型的な失敗例にはまり、見事に資金を200万円ほど溶かしました。笑
見事にアベノミクスの恩恵で稼いだ150万円を使い切り-50万円ほど損を出した状態で一旦このスウィングトレードの手法には見切りをつけました。
この失敗から教訓にしたかった事
結局、経済動向と自身の感覚から相場を読もうとしても凡人には無理ですし、上げのピークで売って、下げの底で買い直す事なんかも不可能なわけですね。(当たり前なんですけど上手くいってる時は出来る気がしちゃうんですよね。笑)
皆さんも凡人を自称されている方は短期でのデイトレードやスウィングトレード等はやめておいた方が無難だと思いますよ。百戦錬磨のプロ達に陵辱されて終わります、再現性の無い戦いになります。
またこれも投資の世界の偉人達が口をそろえて行っていますが、結局株式投資って正しい銘柄を買えた場合、小まめに利確するより持ち続けた方が最終的な果実は大きくなる事が多いんですよね。
つまり株式投資においては日経平均連動ETFやS&P連動のETFをある程度分散して買っていく方法か、正しい銘柄を選択して後は長期間放置する、という事が凡人には一番だなと学べたら、、、良かったのですが、、、(まだ学んでねーのかよ)
その境地に行きつけたのはまだ少し先の話。。。。その前にもう一度懲りない失敗をする事になります。