個別株の長期投資への挑戦

お勧め書籍

前回記事にて紹介したように、ハチャメチャな我流での個別株投資に挑戦し200万もの損失を出してしまいました。(以下参照)

さすがの私もこれには懲りて、「もう株式投資は諦め他の方法検討するか?」 or 「正攻法をちゃんと勉強して個別株投資を続けるか」という選択肢を迫られる事になりました。

勿論コツコツETF等を積み立て投資していく方法が一番王道なんですが、まだ若かったこともあり、多少リスクを取ってでもリターンがデカい方法に挑戦したい、というのが当時の考えでした。

そうなると株式投資の正攻法とは一体何なのか?という疑問に行きつくわけですが、株式投資は大きく分けると、テクニカルファンダメンタルという2つの手法に行きつきます。

テクニカルとは過去の値動きをチャートで表して、そこからトレンドやパターンなどを把握し、今後の株価動向を予想するものです。主にデイトレードを主戦場としているトレーダーや短期で売買を繰り返す必要のある機関投資家が好んで採用する手法で、日中は通常の業務に従事するサラリーマンには不向きです。

ファンダメンタルとは経済状況や企業の財務状況・経営状況などのデータを基に将来の株価を予測する分析手法の事です。主に各企業が四半期ごとに発表する業績やBS、中期経営計画、Bizモデル等を分析して将来株価が継続的に上がっていくだろう、と予想出来る銘柄を購入していきます。
基本的に一度購入した銘柄は暫く(数か月~数年)ほったらかし状態にする事になりますので、各銘柄の分析を行うのは多くても四半期(3ヶ月)に一度となるケースが多いです。

上記を見て頂く通り、サラリーマンとして取り組むべき(取り組める)は基本的にファンダメンタル一択になります。

テクニカル(デイトレード主体の短期売買)の世界では信用取引、空売りも入り交じり、手練れの個人トレーダー、機関投資家といった運用のプロ達がひしめく魑魅魍魎の世界で、彼らを出し抜く技術・知識・運を持っていないと到底生き残る事は出来ません。

私も個人でデイトレードで生計を立てられる人たちはどんな生活を送っているのだろう?と疑問に思い、下記の書籍を読んだ事あります。

読み物としても非常に面白いので是非興味ある方は読んでみてください。

このシゲルさんという方はもう何十年も株式投資を続ける手練れです。もう生活の中心がデイトレードでその為に生きているといっても過言ではありません。

ものすごい知識と経験が蓄積されていますし、もう考えなくても過去の経験則から短期的なチャートの動きが読み取れるようです。(勿論過去にしっかりと学んだ知識が土台としてあるからです)

このシゲルさんは資産も20億近くを運用しており、規模も全然違いますが、もしこの生活と投資スタイルが真似できそうであれば是非デイトレードにも挑戦してみてください。笑

ちなみに私はこんなやり方はとても無理だ、と読んでみて改めて感じました。

長期投資に向く個別株の探し方とは?

消去法的でもありましたが王道のファンダメンタル分析からの中∼長期での個別銘柄投資に取り組むことにした私ですが、まず直面するのは

わたし
わたし

さて、、、どうやって銘柄を探すかな、、日本には上場企業が約4,000社、、、この中から有望な株を探す方法はいかに、、、

という悩みです。もう我流ではまずい、と流石に学んだ私ですので、とりあえず有望そうな書籍を何冊か読んでみました。そんなある日、、、

発見したわたし
発見したわたし

おや、、、この本は、、、イイぞ!!

(ちなみにもう何年も読書はKindleでしてますので、ほんとにこの吹き出しみたいな感じでした。笑)

その本とはこちらです。

私が最も尊敬し、最も投資手法を参考にさせて頂いている奥山月仁さんの書籍です。タイトルも非常にキャッチーで取っつきやすさがありますよね。

当時の私の心境(普通のサラリーマンが株式投資で勝てる方法は無いのか?)という問いにバッチリ答えてくれる本でした。

ちなみに奥山さんですがブログもやっており結構頻繁に更新されていますので、こちらも参考までに。日々投資に関するご自身の見解や意見をコメントされていますので勉強になります。

エフナンさんの梨の木

奥山さんは伝説の投資家ピーターリンチの手法を大変参考にされており、この書籍では日本株向け且つ日本人向けに最適化された考え方・手法を解説されています。

徹底的に企業分析を行い、条件に合致してこれは行ける!と確信が持てる5~10銘柄程度に集中投資し、基本的にはその企業の成長性やValuation(企業価値評価)に陰りが見えるまで数年間持ち続けて売却する、という長期投資の手法を推奨されています。

ちなみにその条件とは割安成長株であること。これは通常トレードオフの関係にある事が多いのですが(割安=成長性無し・低い、成長性高い=既に割高)本当に稀にですが色々な要因で割安に放置されているお宝銘柄が見つかる事があり、それを狙う、というものです。

奥山さんが本格的に資産を増やしていったのはリーマンショック後の数年∼10年の期間だったようで、丁度日本株が大底だった際に有望銘柄を仕込み、幾つものテンバガー銘柄を生み出しています。

テンバガーというのは購入して10倍高になった銘柄の事でして、個別株投資家としては一生に一度は発掘したい、と夢見る銘柄でもあります。

テンバガーまでに株価が成長するには通常何年もかかる事が普通でして、銘柄を見つける事よりもその銘柄を持ち続ける胆力がより重要になってきます。

例えばAMAZONやAPPLEも2000年代に投資をして今も持ち続けていれば何十倍になっている訳ですし、最近だとエヌピディアなんかはここ5~6年で30倍程度まで株価上昇していますしね。

米国だけでなく日本株でもかなりの数の実はテンバガー、時には100倍高なんてところまで成長している銘柄があるんです。どうです?結構夢ありますよね。

普通は株価が2倍にでもなったら焦って利確してしまいそうなもんですが、成長性という指標をある程度数値化して売却の基準を決めておく事で辛抱強く持ち続ける事が出来る様になるわけですね。

まぁ実際にやってみると本当によく分かりますが、言うは易し行うは難しという言葉の通り、そんな簡単なモンではありませんでしたが。笑

奥山さんに限らず結構株式投資の著名人(と呼ぶべきか?)の方々が推奨されている方法は四季報からの銘柄探しです。

四季報には全上場企業(約4,000社)の株価推移、過去数年間の業績、来期の業績独自予想、業態・Bizモデル等の情報が2社/ページずつ掲載されています。

つまり大体2,000ページくらいの本になりますので、全部真面目に読もうとするととても大変なのですが、見るべきポイントはある程度決まっていますし(詳細は奥山さんの書籍にも記載あります)、完璧に目を通すを言うよりは流し見で目についた銘柄だけをチェックする、というやり方で全然OKです。

慣れてくれば1週間くらいで全ページに目を通せるので、そこから気になる企業だけを個別に調査して有望な銘柄のみを絞り込むイメージです。

私の場合は1冊(四季報は四半期に一度の発売)につき大体、チェックする企業が30~40社くらい、個別チェックをしていって詳細確認を行うのが5~10社くらい、最終的に投資候補としてキープしておくのが3~5社くらい残るイメージです。

各種証券会社でも色々なフィルタリング機能が付いているので一見そっちで十分なのでは?という気もするのですが、四季報を使って俯瞰的に探すことでただ数字情報を使ってフィルタリングするだけでは見つからないお宝銘柄が見つかる事も多々あります。

よって正攻法としては四季報は必ず目を通す、加えて抜け漏れを防ぐために証券会社のフィルタリング機能を併用するイメージでしょうか。まぁ抜け漏れしてもそんなに問題無いのでそこまで生真面目にやらずに多少緩くやるのも銘柄探しを楽しみながら習慣化出来るポイントかもしれません。(私の場合、もう殆ど証券会社のフィルタリング機能は使ってないですね。)

探し方の流れとしては大体下記の様なイメージですかね。

①四季報で有望銘柄候補を探す
②チェックした銘柄のここ数年の四半期毎の業績推移・各種計数、及びBizモデルを確認
③成長性や将来性がまだこの先数年見込めそうであれば、BS等で財務健全性、流動資産・負債等のバランスを確認
④競合情報・その会社の優位性等を確認し、最後は直感を信じて打診買い開始、徐々に買い増していく

かなりざっくり書いていますが、こんな感じです。

以前は欲を出して、狙った銘柄が下がり切った、と思ったところで一気に資金投入して購入していたのですが殆どのケースでそこは大底ではなく、更に5~20%と下がる事が殆どでしたので、少し期間を空けて分散しての購入を心掛けています。

大底で買って、ピークで売るのは不可能なので、尻尾と頭はくれてやれ、ですね。

デビュー銘柄達を少しご紹介

さて、奥山さんの書籍をしっかりと読み込んで自分なりに解釈した後は早速実践へと突入です。とりあえず自分なりに四季報を読込有望そうだと思える銘柄を4つ程購入しました。

その時の種銭は大体400万円程度だったので100万×4銘柄くらいで買ったイメージです。

最初に購入した銘柄はマイナスを出すことも無く、最初にしては十分な投資リターンを生み出してくれ、僅か7~8ヶ月程度で400万→550万円程度と、40%程度のリターンを獲得しました。

その中で思い出深い2つの銘柄をご紹介します。

①ディップ

■事業内容
バイト求人サイト大手、バイトル、はたらこねっとなどを運営、さらに当時AI・RPA(Robotic Process Automation)を活用したサービスへの投資も行っていた

購入日2019年5月
株価1,606円
予想PER12.4
営業利益率30%
ROE40%
自己資本比率74%
配当利回り3%
購入当時の指標

もう即決で購入しました、当時5年くらい連続で増収・増益しており、利益の成長率は20~30%/年くらいありました、それでいてこのPERと配当という非常に買い時の銘柄でした。

実際に購入後に株価はぐんぐん上昇し、1年も経たず、2020年1月には3,500円まで上昇しダブルバガーを達成したのですが、あまりに短期に急騰したのでビビって半分売却したまさかのタイミングでコロナショックが発生、急落途中で何とか売りさばいたので、結局この銘柄だけで100万程度稼ぐことが出来ました。

ちなみにその後コロナで急落しましたが急回復し一時は4,500円程度まで株価を上げましたが2024年3月時点では2,800円程度(PER18倍)と少し振るわない感じですので、非常に良いタイミングでの売却でした。

私にとっては非常に大きな成功体験で個別株投資を続けていく大きなモチベーションになっています。

②MCJ

■事業内容
BTO(受注生産)パソコン製造・販売が起点。オーダーメイドによるプロ仕様。『マウス』ブランドが主力。周辺機器、通信、メディアにも展開

購入日2019年5月
株価683円
予想PER9.7
営業利益率7%
ROE18%
自己資本比率66%
配当利回り3.1%
購入当時の指標

こちらは成長性はそこまで高くはありませんでしたがPER10倍以下という割安さと10~20%/年くらいの成長性が見込めそうだと考察し、配当も魅力的且つ財務健全性も高いので購入しました。

結局この銘柄は僅か3ヶ月程度で売却してます。何で売ったのはよく覚えていませんが四半期決算で期待通りの成長見込めそうにもない、と判断して売ったのかもしれません。

720円くらいで売却したので5%くらいしか儲けていませんね。(3ヶ月で5%は悪く無いですが)

ただその後コロナを経ての巣ごもり需要で多少Updownありますが2024年3月時点では1,400円程度になっています(PER11.5倍)。 

結果論ですがこれは長期的に保有していてよかった銘柄でした。爆発的には伸びませんが今は配当も4%超えており安定的なインカムゲインも生んでくれる素晴らしい銘柄ですね。

業績もコロナ特需の反動はあるものの、ゆっくりと成長しており、PER10倍を割り込む様な割安さになれば再購入もありかもしれません。

何とこの銘柄はコロナ後に発売された奥山さんの最新の書籍の中でも紹介されており、非常にうれしかったのを覚えています。

こうして順調にスタートした個別株投資生活ですが、やはり一筋縄ではいきません。。。

そう、、、2020年3月よりコロナショックが到来するのです。

~本日のお勧め書籍①∼

~本日のお勧め書籍②∼

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