買ってはいけない不動産物件

買ってはいけない不動産物件の風刺画 不動産

不動産投資を初めてみたい!ものの、じゃ一体どんな物件を探せばいいのか?

これは最大の疑問であり、最も重要な問題かと思います。当たり前ですがここを間違わなければ不動産投資は上手くいくでしょうし、間違えば一発でアウトになる事もあります。

少し言い過ぎではありますが、これを間違うと本当に「破産」の二文字が眼前に浮かぶことになります。

という事でまずはダメな例から知っていきましょう、という事で「買ってはいけない物件」をお話していきます。

まぁ偉そうな事書いてますがまだ私も1棟購入しただけで、残債(借金)が1億近く残っています。

でもとにかく本をたくさん読んで、色んな物件を見まくって、色んな不動産屋に話を聞き続けながら物件を探し続けましたので、買えるかどうかは別として良い物件と悪い物件の見分けはある程度つくようになってきました。

コイツダメだ、、、早く何とかしないとの画像

買ってはいけない物件①

不動産投資失敗の典型例、サラリーマンが一番カモにされやすいながらも絶対に購入してはいけない物件があります。

それは新築ワンルームマンションの1室!

誤解なき様に言いますが、マンション1室への投資が全部悪いわけではありません。憎むべしは

新築ワンルームマンションの1室!です。(大事なので2回言います)

皆さんも1回や2回経験あるんじゃないでしょうか、コロナ前は良く会社で残業なんかしていると突然鳴り響く電話、、、

わたし
わたし

もしもし、お電話お受けしました、○○㈱のあるリーマンです~

1R 営業
1R 営業

もしもし、わたくし㈱○○の○○ともうします、あるリーマンさんはいらっしゃいますでしょうか?

こんな感じで一体どこから入手したのか、名指しで電話来ることもありましたし、とりあえず電話に出たやつをターゲットにしてくるヤツもいますが、これほとんどワンルームマンションの勧誘電話です。

勿論いきなりワンルームマンション買いませんか?とは言ってきません。

資産運用、節税、保険にご興味ないですか~とかちょっとした世間話みたいな話から入ってきたりとか、やり口は様々ですが、ちょっと前はこんなマンション投資の営業電話が普通に会社にかかってきたりしたもんです。

聡明な皆さんならお分かりと思いますが、こんなこの営業手法完全に「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」改め「クソな物件も電話しまくれば買う奴が見つかる」作戦なんですよ。

こんなやり方で数千万もする買い物をする奴がいつのか?と疑問に思ってましたが実際結構コロッと買っちゃう人もいるみたいなんですね~、最近はデート商法なんかでも勧誘される事ありますし、、

私自身が体験したデート商法の手口も書いているので興味ある方は是非!(笑)

無差別電話殺法に、くノ一を使ったデート商法、、、

こんなブラックな方法でしか売れない様な物件が本当に良い物件だと思いますか?こんなんは情弱に売りつけるだけの、地雷物件に決まっているわけです。

ちなみに悪徳不動産屋が紹介してくる要注意物件はこんなのが多いです。

築年数:新築
立地 : 23区内 某駅から徒歩5~10分程度
販売価格:3,500万円
表面利回り:4%程度(家賃収入=140万円/年 ※管理費込み)
間取り : 20㎡前後 (1Rか1K)
融資条件:フルローン、年利2%、期間35年
他条件 :サブリース付き、指定の火災保険加入

まぁこんな感じでしょうか。一見悪く無さそうに見えますが、、、ちゃんと収支計算してみます。

家賃収入(満室時)140万円
サブリース手数料10%=-14万円
修繕積立金15~20万円
固都税-10万円
火災保険3~5万円
融資返済 (金利込)-102万円
収支計-4~11万円
年間の収支計算

結構ざっくりの計算ですが、これは最低限発生する費用です。それでも年間収支(キャッシュフロー)は赤字なんです。

加えて上記の費用には購入時の取得費用(不動産仲介手数料が物件価格の3%+6万円、不動産取得税、登記の為の司法書士報酬、銀行の融資手数料、など)が大体+200∼300万円くらいかかります。

また、実際にはずっと満室(稼働率100%)なんてことはあり得ません。精々良くても95%前後くらいです。更に人が出て行けば募集の為の不動産屋へのAD(広告費)が家賃1~2か月分、原状回復費用(借主と折半でも5~10万円程度)、建物が老朽化してくると家賃の下落、設備の交換(エアコン、水回り等)、といった収入源や費用増の要因が増えていきます。

つまりどんどんここからマイナス幅が広がっていきます。多分融資期間の35年でのトータル収支はマイナス1,500万円を超える可能性が高いでしょう。

35年持ち続ければマンション1室という資産が手に入るじゃないか、という理屈もあります。

ただその頃には築35年の時代遅れの外観・内装・レイアウトのコンクリートの塊が手に入るだけです。立地にも依りますが、マイナス分を取り返せる程の金額(1,500万~2,000万円以上)で売れる可能性はその時の市況次第です。

つまり運次第、、、これだけのリスクと毎月の持ち出しに耐えながら、良くてトントン、最悪大赤字になります。これって投資としては成功とはとても言えないですよね。

更に悪質不動産屋は発生する費用を借入金の返済分や管理会社の管理手数料しか含めない様な、超ガバガバな収支シュミレーションなんかを提示してきます。(まぁこんな金額の投資に対してちゃんと自分で検証しない方にも問題ありますが、、、)

ただそれ以上にク〇物件が魅力的に見える様に視点をずらした売込みをしてきます。そんな詐欺師不動産会社がよく使う営業トークはこちら!

①税金取られ過ぎじゃないですか?節税になる方法がありますよ~
②不動産って生命保険代わりになるんですよ~
③不労所得欲しいと思いませんか~?
④他人のお金でマンションの1室が手に入っちゃいますよ~

こんな感じでしょうか? 完全な嘘では無いのですが鵜呑みにすると後悔街道一直線な事は間違いありません。

税金還付

これは決して嘘ではありません。要は不動産投資による会計上の収支を赤字にして本業のサラリーマンとしての所得税の還付を受ける方法です。

先ほどのキャッシュフローの収支と会計上の収支は計算方法が変わります。会計上の収支計算はこんな感じになります。

家賃収入(満室時)140万円
サブリース手数料10%=-14万円
固都税-10万円
火災保険-3~5万円
金利支払い分-4~5万円程度
建物・設備減価償却-55∼60万円程度
不動産取得税・その他費用-150万円程度
収支計-235∼245万円
取得初年度の会計上の収支

キャッシュフロー収支計算と大きく違うのは建物の減価償却を経費計上出来る事、借入金の返済分は経費計上出来ない事です。(金利分のみは計上可能です)

計算はかなりざっくりですが、物件初年度は取得費用を大幅に形状出来るので合計で250万円近い赤字になります。
(注) 仲介手数料は物件取得価格に加算され、減価償却されます。

この赤字は本業の給与と合算出来ますので例えば年収1,000万の人であれば大体所得税・住民税を30%くらい支払っていますが、上記赤字分の30%程度(=70万円程度)が還付される事になります。

ただ、これは取得費用が大きく計上出来る初年度だけです。2年目以降は赤字と黒字の境目になるので、ほぼ節税の効果はありません。

この初年度の節税分に目がくらむと結局トータルで損する、という事が起き得ます。

生命保険代わりになる

これも嘘ではありません。不動産を購入すると大体、団信団体信用生命保険に加入します。

団信(団体信用生命保険)とは、不動産投資ローンの契約者(債務者)が、返済期間中に死亡または高度障害状態といった不測の事態に陥った場合に、保険会社から金融機関にローン残高相当の保険金が支払われる生命保険の一種です。

つまり家族等に負債を背負わせるリスクが無くなるのですが、あくまで残債の金額のみが保証されるだけですし、今なら3,000円/月くらいの掛け捨てで死亡時3,000~4,000万円くらいの保険金が支払われる保険もありますので、そっちで十分です。

将来1,500万以上の損を出すリスクを背負って入る様なものではありません。

不労所得が手に入る、他人のお金でマンション1室が手に入る

こちらは既に計算した通りですが、不労所得手に入りません。(笑)

家賃収入(満室時)140万円
サブリース手数料10%=-14万円
修繕積立金-15~20万円
固都税-10万円
火災保険-3~5万円
融資返済 (金利込)-102万円
収支計-4~11万円
年間の収支計算

悪徳不動産屋が出してくるガバガバ収支計算なら毎月○○万円とか収支が出る様に見える事もありますが、実態は上記の通りです。

また上手くキャッシュフロー赤字にならずに運営出来れば確かに他人の家賃でローンがドンドン払われていくので、自分はほぼ持ち出し無しにローン完済後は物件が自分のモノになるように見えます。

しかしお気づきの通りその妄想は絵に描いた餅に終わる可能性が高いです。(だって赤字なんですもん)

区分マンション投資全般が悪いわけでは無い

と、長々と書いていきましたが、区分マンションへの投資が全部悪いわけではありません。

あくまで新築区分の場合は新築プレミアムや色々な諸経費が載ってて、非常に割高になっているケースが多いので損する可能性が高い、というだけです。

勿論資産価値が落ちづらい、港区とか千代田区とか渋谷区都下の物件であれば35年後にも値段が上がっている可能性もあります。

ただそんな物件の場合、物件価格も上がりますし、利回りは2~3%以下になる事がザラですので、35年間の持ち出しに耐えられるだけ本業で給与が高い方や、相続税対策をしたい富裕層しか厳しいと思います。(それでも20㎡のワンルームでは微妙かもですね)

一方でしっかり立地を選別し、中古で割安さのある物件や広めの物件、ファミリータイプ等であれば勝機はあると思います。

いずれにしてもしっかり収支シュミレーションを行い、損しない確信が持てる物件かどうかの精査は必須です。

買ってはいけない物件②

2つ目はズバリ、シェアハウス若しくは狭小物件です。

極端な事例ではありますが、「スルガ銀行:カボチャの馬車」の事件はシェアハウスの失敗例の最たるものでして、あれは詐欺に遭ったというより(詐欺みたいなもんですが)、ちゃんと不動産の物件自体は購入している人が大半なんです。

この事件の本質的な問題は、といいますと、、、、、

購入した値段>>>>>>>>>>>>>>>>>不動産の実際の価値

という、とにかく割高に物件を購入してしまっていたことが原因なんですね~。

まぁ本来そんな資産価値が低い物件だと融資が出ない様な属性の人にも年収や資産の詐称を銀行が加担して、むしろ積極的にやっていた事が大きな問題だったわけですが。。。

高い価格で買わされたから家賃も相場より高くせざる得ない、結果空室が増える、持ち出しが増えるので、売却しようにも売値は半額以下、、、

という無間地獄に陥ってしまい自己破産までしてしまった人が多発した事から社会的な事件として取り上げられました。

もっと詳細が知りたい方・興味ある人は是非↓の書籍を読んでみてください。池井戸潤の小説みたいで面白いですよ。

基本的にシェアハウスや狭小物件は狭い土地や形状が悪い土地に無理やり狭い建物を建てているので、そもそも土地の資産価値が低い事が多いです。

土地の資産価値に関する解説は「選ぶべき物件」の方で詳細解説します。

また部屋数を強引に増やしているので利回りが良く見えますが、実際は借り手がつかないリスクが非常に高くなり、満室経営をする難易度がグッと上がります。

よくあるのは一部屋10㎡くらいしか無い狭小アパートやシェアハウスですが、広さや設備の割に家賃は割高に設定されている事もあるので、新築時はまだしも築年数が経つと不動産屋へのAD(募集の広告費)を4~5が月分とか積まないと決まらなくなっていくケースもあるみたいです。

売ろうにも土地の資産価値が低すぎて、買値よりも大分安く叩かれる可能性が高まりますし、銀行からのローンが引きづらいので、買い手が見つかりづらいです。

買ってはいけない物件③

3つ目は、地方の物件、特に規模の大きいRC物件です。

ここは次の「選ぶべき物件」の方で詳細解説しますが、地方で例えば1,000㎡とかの土地に建つ5階建てのマンションとかだともう悲劇です。

まずコストが想定以上にかかります。エレベータのメンテナンス費用、清掃費用、部屋数多いので設備の更新、そして固都税も想定以上に発生します。もし築年数が経って解体しようものならこの規模のRCマンションだと下手したら解体費用が4桁万円以上かかります。

基本都心などよりも家賃が低いにも関わらず、原状回復費用や設備のメンテナンス・更新費用、清掃費用等は都心と大きく変わらないのでコストの比率が大分上がります。

例えば都心で家賃10万円の20㎡/1Kの部屋での現状回復費用はオーナー負担分で8万円くらいです。

一方で地方だと家賃5~6万円で40∼50㎡の2DKとかの部屋もザラにあります。ここに発生する原状回復費用は広い分もっと高くなりますので、家賃に対するコスト比率が非常に高くなってしまう、という落とし穴があります。

地方でも名古屋とか仙台、福岡等の大都市であればまだしもですが、これから人口減が確実な日本では人口が増えている∼横ばいに近い首都圏、可能なら東京23区に物件を持つのが理想です。(勿論その分良い物件探すのは難しいですが、、、)

ざっと買ってはいけない物件を書いていきましたが、次回はじゃあ「どんな物件買えばいいねん!」という点にフォーカスして記事書いてみようと思います。

ちなみにこの記事に書いているのは、あくまで色んな書籍、実際に物件を探してみて感じた私の個人的意見なので、正しい・正しくないは人それぞれかと思います。

~本日のお勧め書籍∼

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